世界の企業研究

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ペプシコ ~ペプシとスナック菓子を軸に成長する世界第2位の食品会社~

概略

ペプシコアメリカのニューヨーク州に本社を置く食品・スナック・飲料企業です。

ペプシコは20以上のブランドを保有しており、200か国以上でその製品は流通されています。

純売上高ベースではペプシコネスレに次ぐ世界第2位の食品・飲料企業になります。

保有ブランドとしては「ペプシ」や「Lays」、「ゲータレード」など超有名ブランドばかりです。

また、日本ではペプシコーラが有名ですが、ペプシコの売上の半数以上はスナック菓子で占められており、世界的には菓子のメーカーとして認知されることもあります。

 

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ビジネスモデル

ペプシコの看板商品であるペプシコーラのビジネスモデルはコカ・コーラ社のビジネスモデルとほぼ同じです。

どちらも製造から販売までを担っているわけではなく「コーラの原液」を販売している会社であり、そのレシピは企業秘密です。

原液は世界各地のボトラー会社が仕入れて製品にしており、そこから私たち消費者のもとに届きます。

原液は秘伝のレシピのため模倣することが難しいことに加え、安価だと言われており、そのため非常に高い利益率を出すことが可能なのです。

 

サウジアラビアにあるペプシの瓶詰め工場、業務の自動化に向け倉庫管理システムを導入 - DIGITAL X(デジタルクロス)

 

また、スナック菓子事業にも力を入れており、飲料と菓子の2つのセグメントで相乗効果を狙った戦略を立てることが可能です。

特にペプシコーラとLaysのポテトチップスの組み合わせは全世界で愛されています。

 

Lays Potatoes and Bottles of Pepsi Cola Editorial Stock Image - Image ...

 

最近では健康志向を強める世界的な消費者の好みの変化に対応するために飲料に含まれる糖分やスナック菓子に含まれる塩分を減らしています。

その結果も出ており、健康スナック・飲料と位置付けられる商品群になるなど売り上げに貢献しています。

ペプシコは北米の食品事業の利益率が高く飲料事業の利益率は低い傾向があります。

一方でコカ・コーラは海外での利益率が高く好調です。

ペプシココカ・コーラは永遠のライバルの印象がありますが、住み分けができていると考えてもよさそうです。

 

出典:https://www.techno-producer.com/column/food-beverage-innovation-strategy/

 

各種指標

 

ここからはペプシコの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。

まず売上、営業利益ともに毎年増加しており、堅調な成長を遂げていることが読み取れます。

ペプシコは継続的に飲料やスナック菓子の値上げを行っていますが、値上げの要因である原料費の上昇分を消費者に転嫁することに成功しています。

アメリカの消費者はガソリンを入れるついでにソフトドリンクやスナック菓子をためらわずに購入するなど消費者としても値上げを受け止めているのです。

ここから、ちょっとしたご褒美には喜んでお金を使うアメリカの消費者の心理も読み取ることができると思います。

北米事業がメインのペプシコにとってこれは追い風となり、結果として売り上げも伸びているのです。

営業利益も15%前後と食品・飲料企業として非常に高く、コーラの原液を売るビジネスやスナック菓子の営業利益が非常に高いことが証明できるでしょう。

 

今後の展望とまとめ

以上のようにペプシコは利益率の高い事業を行うとともに、値上げをしても購入される強いブランドを持つ企業と言えるでしょう。

今後、スナック菓子の市場規模は2028年に20203年と比べて年平均3.37%の成長を続け、約5億3800万ドルに達するといわれています。

 

最近の消費者は持ち運びが簡単ですぐに手に入る食品を求める傾向があるため、スナック菓子の市場はさらに成長するといわれています。

そのためメーカー各社も栄養素を強化したスナック菓子を販売するなどして新たな市場の開拓に踏み出しています。

中長期的にはスナック菓子が本格的な食事に変わる選択肢として登場する可能性もあります。

スナック菓子は手軽で便利な栄養・エネルギー源であるため、先進国では革新的なスナック菓子に対する需要は非常に高いです。

そのため、健康で栄養のあるスナック菓子を提供することは今後の消費者のライフスタイルを変化させる可能性もあるのです。

ここからスナック菓子を製造販売するペプシコにも将来性があると容易に考えられます。

すでに健康スナックを提供しているペプシコは上記の市場を開拓しようとしていると考えてもよさそうです。

世界第2位のシェアを持ち、強いブランドと適切な経営戦略をとるペプシコ

将来的に世界のライフスタイルを変えるようなスナック菓子を販売するかもしれません。