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花王の構造改革(ペット商品売却)について考察してみた

eyecatch

2023/12/11の日本経済新聞花王エステーに「ニャンとも清潔トイレ」を売却するとの記事を見つけました。

 

 

https://www.kao.co.jp/nyantomo/about/?cid=nyan_google191101_category_007_k&gad_source=1&gclid=CjwKCAiApuCrBhAuEiwA8VJ6JiNn5OSylNQ1Q4VNDshp1D1TKRq-c9jX2lI3sJ9KAholVCczI65jHRoCycYQAvD_BwE

 

これは花王が600億円をかけて実施している構造改革の一環で、これにより花王はペット関連商品から撤退します。

 

花王の近年の業績は増収しているものの、減益が続いています。
その主な理由としては海外展開の失敗がありますが、そのほかにも事業を広げすぎてそれぞれの事業にパワーを割きにくいということがありました。

 

構造改革では選択と集中を意識し、不採算事業は撤退や売却などを通じて処理をしていくとしています。

 

今回のペット関連商品もその一環です。
花王はニャンとも清潔トイレを2001年に発売し、売上高は年間数十億円に上るとされていました。


トイレの他にも脱臭・抗菌チップやペットフードなども展開していましたがすでに撤退しています。

 

花王のペット事業は「ハイジーン&リビングケア事業」に含まれます。
この事業にはアタックやキュキュットといった主力ブランドなどが多数あります。

 

https://www.kao.com/jp/corporate/fields/

 

ただ、多数のブランドがあるということは売れる商品と売れない商品が分かれてしまい、売れる商品が売れない商品の尻拭いをしているともいえます。


今回の構造改革では選択と集中を意識していますので花王は売れる商品に注力するためペット商品を売却したのでしょう。

 

ではエステー側の思惑はどうでしょうか。


エステーは中長期戦略として「かおり×ウェルネス×グローバル」を掲げており、今後はペット事業をウェルネス領域の中核事業として育成していくとしています。

 

ニャンとも清潔トイレはペットファーストのお客様から根強く支持されている商品であり、エステーの強みである消臭技術を掛け合わせることでシナジー効果が期待できるとして譲り受けることとしました。

 

ペット商品市場は今後も拡大するとの予想がされています。


その背景としては消費者の健康意識の高まりがあります。


自分自身の健康だけでなくペットの健康も意識した飼い主が増えているのです。
そのため、ペットフードではプレミアム商品が増え、デンタルケア関連の商品、排泄ケア商品も増えています。

 

 

https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3053

 

確かにエステーといえば消臭剤のイメージが強い企業です。


ペットのトイレと消臭の技術を組み合わせれば質の良い商品が生まれるのが期待できますね。

 

花王は最終減益が続いており、この構造改革が非常に大事な施策になります。


実際に花王も中国国内のおむつ事業からの撤退や化粧品ブランドの統合の検討など施策を実施しています。

 

日本を代表する企業ですから構造改革を成功させ、強い花王に戻って欲しいと思っています。

 

花王の詳しい企業研究などをこちらの記事で書いていますので読んでいただけると幸いです。

 

sekainokigyoken.com