世界の企業研究

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大塚HD銘柄分析 ~堅牢な事業基盤と堅実な事業を展開する医薬品メーカーの企業研究~

概略

大塚ホールディングスは東京都港区に本社を置く製薬会社の持ち株会社です。

国内製薬会社の5強の一角で、事業領域は医療関連事業だけでなくオロナミンCポカリスエットカロリーメイトといった食品事業も手掛けています。

海外展開も積極的に行うグローバル企業であり、海外売上比率は6割を超えています。

 

https://www.otsuka.com/jp/ir/individual/ataglance.html

 

事業内容分析

医療関連事業

大塚ホールディングスの主力事業の一つに医療関連事業があります。

医療関連事業の重点領域として精神・神経領域とがん領域に注力しています。

 

 

医療関連事業の最新業績(2023年度第3四半期)は前年と比べて増加しています。

前年比で16.2%の増加となりました。

 

 

これはグローバル4製品と呼ばれる主力製品が伸びたことが要因です。

また、売上原価も減少したため、利益も昨年と比べて大きく伸びています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material_for_fiscal_ym/143101/00.pdf

 

今後も精神疾患といった病の研究を続けることで深く理解し、それに対する最適なソリューションを提供することで成長していくと考えています。

また、未充足な治療ニーズへの対応と製品価値の最大化を中期的な経営計画としており、その中でもアルツハイマー認知症に対するソリューションを提供しようとしています。

アルツハイマー認知症患者は社会の高齢化と共に増加する見込みであり、大きな社会課題の一つです。

大塚ホールディングスは高いポテンシャルを持つ開発品と製品群でアルツハイマー認知症という社会課題にソリューションを提供するとしています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

がん領域事業では大塚グループ企業の強みを生かし、メカニズムの異なる他の薬との併用などを行うことで価値の最大化を図るとしています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

ニュートラシューティカルズ関連事業

大塚ホールディングスのもう一つの主力事業としてニュートラシューティカルズ関連事業があります。

この領域でおなじみのポカリスエットオロナミンCを製造販売しています。

この事業では日々の健康の維持・増進をサポートする機能性飲料・機能性食品を中心に事業を展開しています。

保有ブランドとしては

など多数の有名ブランドを有しています。

医療関連事業で培った技術や知識をうまく飲料・食品に転換することでユニークな製品を生み出し続けているのです。

ニュートラシューティカルズ関連事業の最新業績は前年と比べて増加しています。

機能性飲料・食品、サプリメントすべてで増収し、前年比10.3%の増加となりました。

 

 

機能性飲料では、ポカリスエットが成長しました。

エリアごとの状況に応じたブランド価値向上につながる啓発活動を行ったことが収益に貢献しました。

また、機能性食品は欧州のビジネスが成長し、サプリメントは積極的なマーケティングがうまくいったことで増収となりました。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material_for_fiscal_ym/143101/00.pdf

 

今後のニュートラシューティカルズ関連事業の戦略はポカリスエットをはじめとする主要3ブランドは新カテゴリー、新エリアで展開を行うことで規模を拡大するとし、ボディメンテといった育成3ブランドは事業基盤を構築し将来の主要ブランドを目指すとしています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

また、世界的な健康市場は今後も堅調に成長する見込みです。

これは医薬品の市場を上回る市場成長率であり、今後も成長スピードが加速する可能性もあります。

そのため、健康市場を獲得することができれば、それに伴って利益も拡大することが予想できます。

大塚ホールディングスはグローバル展開も積極的に拡大していく予定で、主要3ブランドは1,000億円ブランドする計画を立てています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

各種指標分析

売上高・営業利益

https://irbank.net/E21183/results#c_1を参照し作成

 

大塚ホールディングスの売上高・営業利益・営業利益率を見ていきたいと思います。

まず売上高は近年毎年増加していることがわかります。

また、営業利益率は10%近くあり、高い数字です。

製薬業界というのは、研究開発費こそ莫大な金額になるものの、一度承認されて販売できるようになれば、その製造原価の低さから大きな利益が期待できます。

そのため、業界平均の利益率も高くなっています。

また、新薬開発には10年単位の時間を要することから積み重ねが必要で新規の参入が高いことも特徴です。

そのため、基本的に製薬業界は儲かる業界と言っていいと思います。

 

EPS(1株利益)

https://irbank.net/E21183/results#c_5を参照し作成

 

続いてEPS(1株利益)です。

この数字は1株当たりいくら儲けているかを確認するための指標でこの数字が成長しているほど稼ぐ力を伸ばしていると判断できます。

大塚ホールディングスのEPSはコロナ禍において減少しましたが、その翌年には増加に転じ、2023年も大幅に増加しています。

事業も安定していますので今後もEPSを伸ばしていくことが予想できます。

 

自己資本比率

https://irbank.net/E21183/results#c_11を参照し作成

 

次に自己資本比率です。

自己資本比率は企業の財務健全性を確認するための指標でこの数字が高ければ高いほど安全と言えます。

大塚ホールディングス自己資本比率は70%を超えており、非常に高い数字です。

財務基盤がしっかりしている証拠でもありますし、手元のキャッシュも潤沢にありますので事業継続に不安な部分はありません。

 

配当・配当性向

https://irbank.net/E21183/results#c_23を参照し作成

 

最後に・配当・配当性向です。

大塚ホールディングスの配当はここ数年は100円がずっと続いています。

そのため、株価が下がった時に投資を行うのが良いでしょう。

配当性向も40%程度なのでまだ配当に回せる余力があると考えられます。

そのため今後増配の可能性はあると思います。

また、大塚ホールディングス株主優待があり、内容は大塚ホールディングスの自社製品なので満足できる内容だと思います。

そのため、株主優待を楽しみにしつつ、利回りを見て投資していきたいですね。

株主優待https://www.otsuka.com/jp/ir/stock/benefits.html

 

今後の展望とまとめ

以上のように大塚ホールディングスは医療関連事業と機能性飲料・食品事業をバランス良く行い、業績も堅調に推移している企業と言えるでしょう。

大塚ホールディングス1,000億円ブランドへの挑戦としてポカリスエットサプリメントを挙げています。

 

ポカリスエットの挑戦

ポカリスエットはスポーツ飲料として多くの人々に愛されている飲料です。

特にアジアでは健康志向が高まっており、成長市場で水分と電解質補給の重要性を訴求することで収益を拡大しようとしています。

また、アジア以外にも新エリアで成長基盤を整備するとしており、世界でポカリスエットというブランドを広めようとしているのです。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

サプリメントの挑戦

もう一つの1,000億円ブランドを目指すのはサプリメントです。

サプリメント市場も年々成長しており、今後も安定した成長が見込める市場です。

大塚ホールディングスは、北米では新カテゴリーと新市場の創出を行うとし、高成長が見込めるアジア・パシフィックエリアでは新たに市場に参入し新展開を行うとしています。

 

https://ssl4.eir-parts.net/doc/4578/ir_material/155006/00.pdf

 

個人的に大塚ホールディングスは堅実な経営をしているという印象が強い企業です。

今後も安定した事業を堅実に行うことで、安定した収益を堅実にあげていくのではないでしょうか。