世界の企業研究

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キャタピラー ~世界シェア1位の建設機械の巨人~

概略

キャタピラーアメリカのイリノイ州に本社を置く建設機械・鉱山機械メーカーです。

またディーゼル及び天然ガスエンジン、産業用ガスタービンエンジンも製造しています。

創業初期から現在に至るまで世界シェアが不動の1位のため、建設機械の巨人と称されています。

また、従業員の約6割がアメリカ以外の国で勤務している多国籍企業でもあります。

 

黄色の建設機械が特徴

 

ビジネスモデル

キャタピラーは300を超える製品ラインナップをそろえています。

世界で活躍しているキャタピラー製品は300万台以上であり、まさに世界中でキャタピラー製品が使用されていることになります。

パワーと操作性に優れた機械が多く、自動稼働と遠隔操作技術で業界のトップになっています。

積極的なM&Aを行うことで自社にない技術を次々と取り入れて新製品に搭載している戦略も取っています。

また、キャタピラーは建設機械・鉱山機械だけでなく、ディーゼル天然ガスエンジンやガスタービンの生産・販売も行っており、2030年にはディーゼル燃料の85%を天然ガスに置き換えることを目標にしています。

さらにキャタピラーはアフターサービスに力を入れていることも特徴です。

 


IT戦略

鉱山現場の多くは高地や極寒地、高温地帯や乾燥地帯など過酷な自然環境下にあり、人手不足も深刻です。

また日本では建設業界の人手不足が深刻な問題となっています。

その問題の解決策の一つとして建設機械、鉱山機械のIoT化があげられます。

自動運転などを活用することで少人数で現場を回せるようになり、作業も効率化されるということです。

特に鉱山は決まったルートでダンプトラックは回ることが多いので自動化しやすい現場だといわれています。

日本のコマツもIoT化に力を入れており、今後はこの戦いを制した方が世界のシェアを握っていくでしょう。

 

出典:https://www.catonlineexpo.com/iot/

 

そしてここでもキャタピラーが優位を握りそうな傾向が見られます。

まず、コマツの建機管理はあくまでも自社製品なのです。

コマツの建機を使っていれば、その建機の状態をIoTで可視化し自動運転も実現できるという形です。

しかし、キャタピラーは他社製品も含めて一括管理するシステムを提供しようとしています。

建設会社としても様々なメーカーの建機を使用しているので、一括して管理できた方が便利です。

さらに、顧客の要望に応じてカスタマイズされたシステムを導入するという手厚いサービスを提供しようとしています。

個人的にコマツは大好きな企業なので頑張ってほしいですが、これを見るとやはり建機の世界シェア1位であるキャタピラーとは差があると感じざるを得ません。

 

https://www.catonlineexpo.com/iot/を参照し編集

 

各種指標

 

ここからはキャタピラーの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。

まず、売上は2020年に減少しましたがその後は回復し上昇傾向です。

2020年はコロナウイルスの影響もあり、全体的に建設需要が減少したことが要因です。

その後は、建設需要の伸びに伴いキャタピラーの売上も上昇しています。

営業利益率はほぼ毎年10%以上でこれは非常に良い数字です。

これはキャタピラーが競争力のある商品を提供している証拠だと言ってもいいでしょう。

 

今後の展望とまとめ

以上のようにキャタピラーは世界シェア1位の建設機械メーカーとして世界中に商品を展開し、ITを活用したサービスを提供することで建設業界にとって絶対的に欠かせない企業と言えるでしょう。

今後建設市場は2022年から2030年にかけて年平均成長率10.9%で成長し、2030年には176億ドルになると予想されています。

発展途上国の急速な都市化に伴うインフラ整備や、知識集約による生産性の向上が市場拡大の要因として挙げられます。

また、多数のプロジェクトにおけるIoTの導入増加は世界市場に新たな機会を創出するといわれています。

そのため、建設機械の需要はこれからも増加すると考えられており、キャタピラーも順調に売上を伸ばすと考えられます。

 

出典:https://beautiful-photo.net/bangkok-city-downtown-with-sunset-sky

 

また、資源需要も今後世界で大きくなることが予想されています。

 

出典:https://www.kepco.co.jp/energy_supply/energy/nowenergy/world_energy.html

 

世界の人々の生活が豊かになるということはそこにはたくさんの資源が必要です。

そのため、鉱山機械の需要も伸びることが考えられ、キャタピラーの機械も増えていくでしょう。

 

建設機械・鉱山機械で世界のインフラ建設を支えるキャタピラー

今後も建設機械の巨人として全世界のインフラを創出していくに違いありません。