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アッヴィ ~高成長を続けるバイオ医薬大手~

アッヴィ【ABBV】を約24万円分買い増し! – 20代メーカー営業マンが資産運用を始めてみた

概略

アッヴィアメリカのイリノイ州シカゴに本社を置き、新薬の研究・開発・販売を行うバイオ医薬品企業です。

2013年にアメリカの製薬会社であるアボット・ラボラトリーズから分社独立するかたちで設立されました。

世界70か国以上にビジネス拠点を持ち、170か国以上でアッヴィの医薬品が利用されています。

ちなみに製薬会社世界ランキングではファイザーアメリカ)、ロシュ(スイス)に次ぐ3位となっています。(2022年)

 

ビジネスモデル

アッヴィの医薬品ポートフォリオ「免疫学」「血液腫瘍学」「C型肝炎のバイオ医薬品を運営しています。

主力薬である自己免疫疾患治療薬の「ヒュミラ」が売上の半分以上を占めているのですが、製薬特許が切れたためバイオ後続品との競争に直面しています。

AbbVie's Humira price dilemma: please investors or Trump and public | Crain's Chicago Business

しかし、2020年にアラガン社を買収することで同社が保有していた「美容医学分野」や「眼科医薬品」「消化器疾患医薬品」といった多様なポートフォリオを手にしました。

さらに、自己免疫疾患の新薬も合わせるとピーク時の売上高はヒュミラを上回る可能性があります。

また、治験の最終段階である新薬も多く、長期的に巨額の利益を稼ぐという予想もされています。

ちなみにヒュミラの売上は1製品で約2兆円となっており、これは日本の第一三共の総収益の2倍です。

ここからヒュミラがいかに超ブロックバスター製品なのかわかると思います。

ブロックバスター

画期的な薬効を持つ新薬で、その対応疾患領域で発売されている他製品と比べ圧倒的な売り上げをあげる製品

各種指標

ここからはアッヴィの業績推移についてみていきたいと思います。

まず売上は毎年のように増加しており、右肩上がりになっていることがわかります。

また、営業利益率は平均30%台と非常に高い数字です。

薬の製造コストはそれほどかからないため、基本的に製薬会社は営業利益率が高い傾向ですがその中でも高い数字と言えます。

よって今後も安定して業績を伸ばす企業だといえるのではないでしょうか。

 

今後の展望とまとめ

以上のようにアッヴィはヒュミラという超ブロックバスター製品を抱えるとともに多様な医薬品ポートフォリオを構築し、新薬の研究も進めるなど盤石な企業だといえます。

また、ヒュミラのようなブロックバスター製品候補もいくつか保有しており、将来的にも巨額の利益を計上できる企業だと考えています。

そしてヒュミラの後継品も続々と開発されているところにアラガン社の技術が加わりました。

合併に伴い余計な経費を削減できればさらに財務状態は改善されるでしょう。

ドラッグストアでは商品を見かけることはないですが、多くの患者さんに必要とされており世界で欠かせない企業の一つなのではないでしょうか。

今後もブロックバスター製品の研究開発を進め、世界中の患者さんに治療の選択肢を増やしてくれることを期待したいです。