概略
コパートはアメリカのテキサス州に本社を置く中古車のインターネットオークションを展開する企業です。
アメリカ、カナダ、イギリス、ブラジルなどでオンラインオークションを展開しており、現在は11か国、200以上の拠点で日々取引が行われています。
廃車を修理業者、解体業者、中古車事業者へオークションを通じて販売するというビジネスを展開しています。
ビジネスモデル
コパートのビジネスモデルはシンプルなものです。
保険会社やレンタカーの会社から事故車や修理された盗難車を買い入れ、解体業者や中古車輸入業者、一般消費者にオークションを通じて販売します。
コパートはオークション開催の手数料をもらうことで収益を確保しています。
コパートのようなシンプルなビジネスには規模の経済が働きます。
オークションの価値は供給される商品の数で決まるので、多くの商品をオークションにかけられる企業には当然人が集まります。
そうすると、廃車を供給する側も多くの人が集まる場所でオークションしてもらえれば高く買い取ってもらえる可能性があるのでそこに出品するのです。
このようなサイクルで知名度のある企業はさらに大きくなっていくのが規模の経済です。
知名度のあるコパートはアメリカで認知度が高いため、オークションに参加する人が多いです。
そのためコパートに廃車を流す業者も当然多くなるということになります。
また、コパートの事業は研究開発費がほとんどかからないため、サービスの向上に資金を使うことができます。
実際に車のインテリアなどを360度から見ることができるサービスを開始しました。
これにより中古車を買うときの心理的な壁となる「この車は大丈夫なのか」という心配を取り除く形になりました。
各種指標分析
売上高・営業利益
コパートの売上高・営業利益・営業利益率を見ていきたいと思います。
グラフを見てもわかるように売上高・営業利益ともに毎年増加していることがわかります。
特にコロナ禍でも売上を落とさず増加しているのは強い企業の証拠でしょう。
また、近年は世界的な半導体不足で新車販売台数が減少していました。
そのため、中古車を求める人が増え、その影響もあって売上を伸ばしているのでしょう。
営業利益率は40%近く驚異的な数字です。
手数料収入がメインのため、販管費がほとんどかからないことが要因ですが、コパートは稼げるビジネスを行っていることがわかります。
EPS(1株利益)
続いてEPS(1株利益)です。
EPSは1株当たりいくら儲けているかを確認するための指標でこの数字が成長しているほど稼ぐ力を伸ばしていると判断できます。
コパートのEPSは毎年成長しているのがわかります。
売上・営業利益とともに安定して稼げるビジネスを行っていますので結果としてEPSも高まっていることがわかります。
自己資本比率
次は自己資本比率です。
自己資本比率は企業の財務健全性を確認するための指標でこの数字が高いほど安全と言えます。
コパートの自己資本比率は70~80%で非常に高く、堅牢と言えます。
事業継続に不安な部分は全くありません。
今後の展望とまとめ
以上のようにコパートは稼げるビジネスモデルを構築し、規模の経済を活かして驚異的な利益率を叩き出している企業と言えるでしょう。
今後も中古車市場は伸びていくと予想しています。
先進国ではEVなどの取引も増えていくと思いますし、アフリカなどの新興国ではまだエンジン車が主流なのでもちろんエンジン車の取引も増えていくでしょう。
自動車がなくなるということはあまり考えられないことなのでコパートは今後も安定的にビジネスを展開していくのではないでしょうか。