世界の企業研究

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バークシャー・ハサウェイ ~神が率いる投資集団~

概略

バークシャー・ハサウェイアメリカのネブラスカ州オマハに本社を置く持ち株会社です。

もともとは綿紡績企業でしたが、代表者のウォーレン・バフェットの判断により保険業を足場とした機関投資家へと転換しました。

現在ではウォーレン・バフェットが会長兼CEO、チャーリー・マンガーが副会長を務め、実質2人が運営する株式会社の形態をとった投資ファンドと言われています。

会長兼CEOであるウォーレン・バフェット

ビジネスモデル

バークシャー・ハサウェイ保険業を中心に多数の子会社を保有しています。

もともとは損害保険及び再保険事業を展開していましたが、買収を繰り返すことで生命保険や健康保険に進出したり、損害再保険の分野においても国際的な拠点を持ったりするなど大手企業になっていきました。

 

保険業再保険業・再々保険業

バークシャー・ハサウェイ保険業は上記で述べたように買収を繰り返すことで、保険業再保険業、再々保険業を手掛ける規模になりました。

再保険業とは保険会社が倒産した際に、他の保険会社が保険契約者の契約を守る仕組みです。つまり、保険会社の保険です。

バークシャー・ハサウェイの保険事業は非常に高い資本力を有していることで有名です。

この資本力を活かして再保険のみならず、他の再保険会社の保険金支払いを保証する再々保険ビジネスを展開しています。

つまり、再保険業の保険まで行っているということです。

高い資本力と再々保険の引き受けによる再保険市場の中での絶大な影響力によって、バークシャー・ハサウェイの保険事業は業界内でも他の保険会社と一線を画す「強さ」を持っています。

主要な保険会社として「GEICO」「ジェネラル・リー」があげられます。

 

エネルギー業

バークシャー・ハサウェイはエネルギー業でも多くの子会社を保有しています。

特にアイオワ州最大のエネルギー事業会社で、隣接する3州でも事業を展開している「ミッドアメリカン・エナジー・カンパニー」の株式のうち、80%以上を保有しています。

ミッドアメリカン・エナジー・カンパニーは総発電量の半分以上を石炭に頼っていますが、近年は風力発電にも力を入れており、大規模な風力発電開発プロジェクトや発電用タービンの大量導入を進めるなどの戦略をとっています。

出典:https://www.midamericanenergy.com/wind-energy

その他

バークシャー・ハサウェイはその他にも多くの事業で多くの子会社を抱えています。

箱詰めチョコレートやお菓子を販売する「シーズ・キャンディー」や建築製品を供給する「ジョンズ・マンビル」、アパレルの「フルーツオブザルーム」など、世界的にも有名な企業を子会社に抱えているのです。

シーズ・キャンディー

フルーツオブザルーム

 

投資方針

バークシャー・ハサウェイは世界中の資産運用投資家のために、多様な投資ソリューションを提供しています。

それらのソリューションは資産運用を通じて投資家のリターンを最大化することを目的としています。

投資家のリターンを最大化するために投資家のニーズに応じて投資戦略を適切に実行しているだけでなく、市場の動向を正確に把握し、必要に応じて投資戦略の調整も行っています。また、投資家のリスクを最小限にするためにリスク管理戦略を採用しています。

これらの戦略は堅調な成果を出しており、投資家にとって非常に魅力的です。

投資家が安全かつ安定した投資を行うための最高のサービスを提供しているといえるでしょう。

 

各種指標

 

ここからはバークシャー・ハサウェイの売上高、営業利益、営業利益率を見ていきたいと思います。

まず、売上高は毎年安定した額を計上しており、2021年度は2,760億ドルと驚異的な数字を残しています。

営業利益も2020年は下がっていますが他の年は11%前後を上げており、非常に安定した投資成績を残していることが読み取れます。

また、売上構成は業種ごとに非常にバランスが良い割合になっています。

 

 

主力事業である保険業の1本足打法ではなく、各セグメントがバランスよく稼いでいることがわかります。

リスクを分散させることで今後もバークシャー・ハサウェイは安定した収益を上げることができると考えています。

 

今後の展望とまとめ

会長兼CEOであるウォーレンバフェットの投資方針として「理解できないものには投資をしない」というものがあります。

そのため、長年AppleGoogleに投資を行っていませんでした。

しかし、Appleが人々の生活に欠かせないiPhoneを提供しており、消費者から非常に高いロイヤリティを集めるライフスタイルブランドであるとみなすようになってからAppleに積極投資を始めました。

現在は保有総額に占めるAppleの割合が43%を占めるほどになっています。

 

保有株式上位10社

 

このように、人々の生活に欠かせないもので今後何十年にわたってその企業が続くと判断すれば投資を行うという方針を昔から一切崩さずに一貫していることがバークシャー・ハサウェイの最大の強みと言えるでしょう。

今後も生活に欠かせないものに投資を行うことで安定した利益を上げるとともに、優良な企業に投資することでその企業が成長し、私たちの生活が豊かになることに貢献してくれるでしょう。

投資の神様と言われるウォーレンバフェットが率いるバークシャー・ハサウェイ

今後も生活に欠かせないものに投資することで優良な企業を抱えていくに違いありません。